お鍬様
お鍬様は、毎年1月11日に行われる豊作を祈願する農耕儀礼である。農耕用の鍬を神と見立て、座敷の座布団に安置し、その前に朱塗りの御膳を用意し、主人がお鍬様と問答を重ねて、酒食でもてなす。その後、主人が自宅前の畑に出て、平鍬で畝を作る動作をした後、恵方とされる東を向いて手を合わせる。
この行事は、かつては旧細入村笹津・岩稲・楡原の家々で広く行われていたが、現在は岩稲の本芳家でのみ伝承されている。年頭にあたって豊作を祈願して模擬的に耕作を演じる予祝儀礼の一つである田打ち正月に相当すると同時に、農耕開始に先立って農耕の神を田畑に送り出す行事でもある。また、2本の鍬をそれぞれ田の神と畑の神という二柱に見立てている点は、全国的にも類例が少なく、この地域が稲作だけでなく畑作も重視してきたことをよく示している。
名称 | お鍬様(おくわさま) | ||
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指定区分 | 県 | 指定種別 | 登録無形民俗文化財 |
種類 | 指定・登録日 | 2024年(令和6年)1月12日 | |
市町村 | 富山市 | 所在地 | 富山市岩稲 |
所有・管理 | 員数 | ||
構造 | 年代 |