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友坂の二重不整合

 富山市婦中町友坂の県道笹倉・西押室川線に沿った崖に3つの時代を異にする地層が2つの整合性で重なっているのが見られる。
 この地層は、呉羽丘陵の南端にあり、道路面から10m足らずの高さだが、新生代の後半における富山西側の地史や丘陵の生い立ちを知ることができる。
 下の地層は、磨き砂にもなる軽石質凝灰岩層である。これは今から約1,000万年の昔、この辺りは海岸で海底火山の爆発により、白い浮石質の層ができた。やがて、この層は傾きながら隆起し、陸となって浸食され、再び海底となった。その上に、黒く粗い砂の層が作られた。この間が第一の不整合である。その後、約100万年前くらいまでに、これら二つの層は、横からの力で曲がりながら陸となった。その上を神通川が流れ、丸い石を含む層が堆積した。この時期に神通川上流(高原川源流)で古焼岳が噴火を繰り返したことがわかるとともに、このときまでに呉羽山丘陵ができており、神通川が西へ流れていたこともわかる。これが第二の不整合面である。その後さらに隆起し、現在の形になった。
 このように二度に渡る不整合の繰り返しがこの崖で見られ、新しい地質時代の大地の変化が観察できる例は、全国でも珍しい。

名称 友坂の二重不整合(ともさかのにじゅうふせいごう)
指定区分 指定種別 天然記念物
種類 指定・登録日 昭和55年(1980)4月11日
市町村 富山市 所在地 婦中町友坂字惣野6193-1他
所有・管理 富山県 員数
構造 年代

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