上麻生のあしつきのり
高岡市上麻生地内の中田橋を渡り切った庄川右岸に、葦附苔の生育地がある。『雄神川くれない匂う乙女らし葦附とると瀬に立たすらし』と、越中の国守大伴家持の歌に詠まれている万葉植物である。万葉のふるさと高岡にとってもかけがえのない至宝とされ、その保存に努力がはらわれている。
もとは庄川の左岸、北般若の石代付近の湧水地帯にも広く見られたのであるが、おそらく家持の時代には、この付近の浅瀬に多く生えていて、食用にされたものと思われる。
四月初め、小川の底の石や川水べりの葦などの根に緑の小さなイボ状に発生して、しだいに成長し、最大5~8㎝位の塊となる。7月上旬から水温が高くなると黄褐色となり崩れさる。数珠状の中にある大型の細胞が越冬して翌春発芽して再び葦附となる。近年、河川改修などで繁殖地は限られている。
名称 | 上麻生のあしつきのり(かみあそうのあしつきのり) | ||
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指定区分 | 県 | 指定種別 | 天然記念物 |
種類 | 指定・登録日 | 昭和40年(1965)1月1日 | |
市町村 | 高岡市 | 所在地 | 上麻生2027 |
所有・管理 | 高岡市 | 員数 | |
構造 | 年代 |