とやまの文化遺産 とやまの文化遺産

新湯の玉滴石産地

 立山カルデラにほぼ中央に位置する、直径30m、水深5mの池。もとは火口跡と考えられており、安政5年(1858)の安政飛越地震の激しい揺れによって熱水が湧き出したことが名前の由来である。現在も約70度の湯が湧き出しているが、平成26年に池の水が干上がっていることが確認され、以降満水と干上がりを繰り返すようになり、立山の火山活動との関連が指摘されている。
 また、全国的にも珍しい「玉滴石(ぎょくてきせき)」の産出地のひとつでもある。「玉滴石」とは、新湯の熱水に含まれるシリカ(二酸化珪素)が砂粒(岩石片や鉱物片)の周りに付着してできた、直径1~2㎜の小さくて透明なガラスのような玉である。ひとつひとつがバラバラのこともあるが、たくさんの粒が集まってひとつの塊になることもある。それが魚の卵に似ていることから、学術的には「魚卵状蛋白石(ぎょらんじょうたんぱくせき)」と呼ばれる。
 立山一帯が活火山であることを示す証であり、玉滴石とよばれる美しい鉱物(オパール)の産出地として、平成25年(2013)に国の天然記念物に指定された。

名称 新湯の玉滴石産地(しんゆのぎょくてきせきさんち)
指定区分 指定種別 天然記念物
種類 指定・登録日 平成25年(2013)10月17日
市町村 富山市 所在地 有峰字真川谷割18番27、18番28
所有・管理 富山県、国土交通省 員数 約2.9ha
構造 年代
備考 玉滴石は、立山カルデラ砂防博物館と富山市科学博物館で展示されている。
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