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菅野家住宅

 菅野家は代々伝右衛門を襲名した商家で、菅野家住宅は高岡市の市街地中心部の山町筋(国重要伝統的建造物群保存地区)に面している。
 「主屋」は明治33年(1900)の大火後に建築された二階建ての町屋。防火のため土蔵造りを採用し、両袖にレンガの防火壁が立ち上げられ、正面と庭の開口部に防火戸を設ける等、火災を想定した造りとなっている。黒漆喰仕上げの重厚な外観の一方、室内外の細部の華やかな装飾に特徴があり、伝統的で質が高い町屋が数多く残る高岡市の中でも大規模で最も質が高い町屋の一つとして、重要である。
 主屋に隣接する「離れ座敷及び台所」は明治33年(1900)の大火後に主屋と一体に整備されたもので、離れ座敷は良材を用いた端正な意匠となっている。また、開口部には防火戸を設けるなど、主屋と同様に防火を意識した造りとなっている。
 「一番蔵及び四番蔵」「二番蔵及び三番蔵」の建築は江戸時代後期~明治時代初期にさかのぼり、伝統的な建造物群が連なる山町筋の中でも希少。火災後に主屋を再建する際に、焼け残った4棟の土蔵それぞれ2棟ずつ大屋根をかけ1棟の建物に見えるよう改修が行われており、主屋に合わせた意匠に整えられている点に特徴がある。

名称 菅野家住宅(すがのけじゅうたく)
指定区分 指定種別 重要文化財
種類 建造物 指定・登録日 平成6年(1994)12月27日
令和6年(2024)8月15日
市町村 高岡市 所在地 木舟町36番1号
所有・管理 個人 員数 4棟(附・塀1棟、土地)
構造 主屋:土蔵造及び煉瓦造、離れ座敷及び台所:木造、一番蔵及び四番蔵:土蔵造、二番蔵及び三番蔵:土蔵造 年代 主屋・離れ座敷及び台所:明治35年頃築、一番蔵:江戸末期築、四番蔵:江戸後期築、二番蔵:明治初期築、三番蔵:江戸末期築
備考 令和6年(2024)8月15日に「離れ座敷及び台所」、「四番蔵」、「二番蔵及び三番蔵」が追加指定された。
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