旧山彦橋
黒部峡谷に架かる橋長約93m、スパン約69mの鋼製スパンドレルブレーストアーチ橋(※)。同形式の橋梁としては日本最古。建設主は東洋アルミナム、製作は日本橋梁で、もとは「黒部橋」と呼称していた。
急峻な黒部峡谷での電源開発のための建築資材・作業員等を輸送する専用軌道として建設され、本県の電源開発の歴史を物語るシンボルである。
宇奈月ダム建設に伴う路線変更によって、昭和61年(1986)に鉄道橋としての役目を終えたあと、人道橋に改修され、現在は遊歩道として利用されているほか、マラソンコースや音楽イベントの会場としても活用されている。
(※)鋼製スパンドレルブレーストアーチ橋
アーチと桁の間(スパンドレル)にブレース(斜材)を配し、トラス(三角形を基本とする構造)で構成される橋梁。長スパンを必要とする橋梁で採用される。急流によって橋脚が流される危険性が無く、かつ峡谷美を損ねない構造である。戦前までの同形式の橋梁は東日本に多く残り、本県が4件で最多(『日本の近代土木遺産』による。千垣橋梁(富山市~立山町)、旧山彦橋・跡曳橋・鐘釣橋(黒部市)の4件)。

名称 | 旧山彦橋(きゅうやまびこばし) | ||
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指定区分 | 国 | 指定種別 | 登録有形文化財 |
種類 | 建造物 | 指定・登録日 | 2025年(令和7年)7月18日(答申) |
市町村 | 黒部市 | 所在地 | 黒部市宇奈月温泉~宇奈月町音澤 |
所有・管理 | 黒部市 | 員数 | 1 |
構造 | 鋼製単トラスアーチ橋 | 年代 | 大正13年建設、平成13年改修 |
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