常願寺川砂防施設-白岩堰堤、本宮堰堤、泥谷堰堤-
河川を一体的に治める「水系一貫」の構想の基礎になった施設群で、日本の治水史上価値が高い。平成21年(2009)に白岩堰堤が砂防施設として全国初の重要文化財に指定され、平成29年(2017)に本宮堰堤、泥谷堰堤が追加された
・白岩堰堤
カルデラの出口で、土砂の流出を抑えるために作られた立山砂防の基幹施設。本堰堤の高さ63m、副堰堤をあわせた落差108mは、砂防堰堤としては日本最大で、重力式コンクリート堰堤と方格枠を積み上げた土堰堤の複合構造を採用した、世界でも類を見ない規模と構造である。近代砂防の技術的な到達点を示し、学術的価値が高い。
・本宮堰堤
常願寺川中流域で、水系一貫の構想に基づいて建設された我が国最大級の貯砂量を誇る重力式コンクリート堰堤。大型施工機械を採用し、わずか2年の短期間で建造された。この時使われたコンクリート配給所の遺構(基礎石垣)が現存する貴重な事例でもある。
・泥谷堰堤
土砂の浸食を防ぎ、崩壊地の植生回復に大きく貢献した、標高差120mの急傾斜の谷筋に建造された、22基(堰堤19基、床固3基)の長大な階段式の砂防堰堤。現在は、山腹工(土留めと排水路、植林)によって植生が回復し、緑あふれる小峡谷になっており、防災とエコを実現した好事例。
名称 | 常願寺川砂防施設-白岩堰堤、本宮堰堤、泥谷堰堤-(じょうがんじがわさぼうしせつ-しらいわえんてい、ほんぐうえんてい、どろだにえんてい-) | ||
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指定区分 | 国 | 指定種別 | 重要文化財 |
種類 | 建造物 | 指定・登録日 | 平成21年(2009)6月30日 平成29年(2017)11月28日 |
市町村 | 富山市 立山町 | 所在地 | |
所有・管理 | 国土交通省 | 員数 | 3所28基 |
構造 | 年代 | ||
備考 | 附 旧混合配給所基礎(本宮堰堤)、附 山腹基礎工6所、土留工9所、水路工6所(泥谷堰堤) | ||
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