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加納南9号墳出土品(氷見市加納)

 加納南9号墳は標高62~63mの尾根上に位置する直径19.3mの円墳である。平成18年(2006)に能越自動車道建設に伴い富山県文化振興財団により発掘調査された。

 出土品には、埋葬施設からの武具(挂甲けいこう)・武器(鉄刀・鉄鉾・鉄鏃)・農工具(鉄斧)、墳丘上の馬具(轡くつわ)・須恵器(筒形器台)等があり、質・量とも小型古墳としては豊富である。埋葬施設は割竹形木棺で墳丘中央部に位置している。棺内には、頭を東にして遺体を安置し、体に沿うように右手側に鉄刀、足元に鉄鏃、挂甲が副葬されたと考えられている。

 このうち、完形に復元できる筒形器台と挂甲は県内初の発見で、本県の学史上貴重な資料である。特に、挂甲は、ヤマト政権から被葬者に直接供給された当時最先端の武具であり、「加納南9号類型」ともされ古墳時代甲冑研究の貴重な資料となっている。

 直径20mに満たない円墳のこれら出土品は、古墳時代後期においてヤマト政権の勢力が地方の小規模古墳被葬者にまで浸透していたことを示すもので、古墳時代の社会関係を示す貴重な一括資料である。

名称 加納南9号墳出土品(氷見市加納)(かのうみなみきゅうごうふんしゅつどひん(ひみしかのう))
指定区分 指定種別 有形文化財
種類 考古資料 指定・登録日 2024年(令和6年)1月12日
市町村 富山市 所在地 富山市茶屋町206-3(富山県埋蔵文化財センター)
所有・管理 富山県 員数 28点(武器17、武具1、馬具1、農工具1、三輪玉2、鑷子状鉄製品2、土器4)
構造 年代 古墳時代後期

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